ロシア皇帝一家暗殺の真相

パーヴェル・パガヌッツィ 著
進藤 義彦 訳

四六上製  319頁
定価:2800円+税

昭和63年6月15日発行


ISBN4−88656−41−5
C0022


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亡命説や皇女アナスターシャ生存説など最期のロシア皇帝を巡る諸説の徹底究明。未公開写真多数。

第1章 ロシア革命(二月革命と十月革命)は皇帝一家の運命にどのような影響を与えたか。
第2章 流刑地(ツァールスコエセローとトボリスク)における皇帝一家。英国への亡命の可能性。
第3章 ヤーコヴレフの役割。エカテリンブルグの期間。イパーティエフ邸。ソロヴィヨーフ。ロシア人の皇帝奪還の試み。コヴィリンスキー大佐の運命。
第4章 最後の日々。悪逆行為の実行者。シベリアの審理。
第5章 欧米における皇帝一家救出の異説。予審判事ソコロフの批判。セルげーエフ更迭の理由。シベリアの審理 の信頼度。人体の指。火、石油、硫酸による人体消滅の可能性。メドヴェーデフの証言。ソコロフの監禁。殺人の主犯ユローフスキー(チェキスト)の欧米同情者。
第6章 ボリシェヴィキのプロパガンダ。モスクワからのラジオ放送。セメーンニコフ、シャツィロ、カスヴィーノフその 他の著書。「ロシア帝国の勤労大衆」。皇帝ニコライ二世の皇位剥奪の試み。ロシア帝国と「ソヴデピア」。
第7章 皇后アレクサンドラ・フェオドローヴナ。かぎ十字章。ドイツびいき、裏切行為、売国行為のかどで皇后を弾 劾しようとするソビエト史家の拙劣な試み。中傷と真相。
第8章 レーニンの「破廉恥な」単独講和。レーニンの裏切行為を皇帝ニコライ二世と皇后の肩に転嫁しようとするソビエト史家の試み。エカテリンブルクの悪逆行為の組織者と実行者を捉えた運命。
第9章 ウラル地方のペルミ、アラパーエフスクおよびペトログラードにおける皇帝家族員の暗殺。

《著者略歴》

 パーヴェル・N・パガヌッツィ
オルロフ県ブラーソヴォに生まれ、幼年時代をモスクワとコーカサスに過ごす。二月革命、十月革命を経て1920年パガヌッツィ家はクリミヤを追放される。中・高教育をユーゴスラヴィアで受け、教育家として活動をはじめる。北アメリカで修士課程を終え、およそ二十年米ヴァールモンド大学で教鞭を執る。1978年名誉教授の称号を得て隠退、現在フロリダ在住。主な著書に『マルセーユの悪逆』『二つのプーシキンの殿堂』『点呼』他多数がある。本書は1981年ニューヨークジョーダンヴィル聖トリニティ僧院書店より刊行された。

(訳者略歴)
 進藤 義彦(しんとう よしひこ)
大正元年福岡県に生まれる。陸軍士官学校(四十七期)、日本大学法学部卒業。現役将校、自衛官、亜細亜大学教養部教授を経任し、現在おもに翻訳業務に従事。