年1回配本予定
里見岸雄著(法学博士)
これは一人の著者が一箇の題目について執筆した著書としては世界の各方面を通じて最大の著作の一つに属するものであるが就中、日本国体に関する体系的著作としては、古今第一の大作である。従来のあらゆる神学的、国学的、独断的国体論を根底から覆した著者30年唱導の国体科学の集大成された驚歎すべき一大学的殿堂である。
今後、日本国体学を正当に論ずるほどの者ならば讃美者、否定者の孰れたるを問わず本書に展開された科学的理論を無視する事は出来ないであろう。然も著者は、高遠難解な理論を行るに最も民衆的表現を以てし、徒に国民の良識を超越せるかの如きアカデミズムの態度を打破しながらよく学術書としての品位を保持する事に成功した。
昭和17年、立命館大学に国体学科が開講し、その主任教授となった著者が昭和18年11月から戦火をくぐり抜けて23年3月まで4年余の歳月を費して書き上げた未刊の大著「日本国体学」(全14巻、原稿約35000枚)が、いま現代に蘇る―――
平成17年4月18日発行
国体学総論 A5上製函入◎724頁 定価:体8000円+税 ISBN4−88656−259−0 CO036 国体の科学的研究に必要な基礎論で就中国体概念の確立唯物弁証法の批判と生命弁証法の闡明及び人間生命論は国体学が事実の認識と価値及び法則の把握に出発することを示す。 |
|
第1篇 序論 第1章 国体に対する敗戦後の諸観念の吟味 第2章 亡国的国体明徴 第2篇 国体の概念 第1章 総論 第2章 「国体」なる語の起源 第3章 近世以後の用例及び用法 第4章 用法の分類と国体の定義 第5章 国体の語の読方と学名的用例 第3篇 国体学論 第1章 既成国体論の概観 第2章 科学的国体学 第4篇 国体と天皇制 第1章 「天皇制即国体」論 第2章 「天皇制即国体」論への反動 第5篇 国体学基礎論 第1章 学問的基礎 第2章 生命的弁証法 第3章 人間生命論 |
平成4年11月3日発行
国体思想史 A5上製函入◎728頁 定価:8000円+税 ISBN4−88656−085−7 CO036 一般に日本人がわが皇室並びに国家に対し如何なる思想信仰を懐いていたかを太古以来現代に到るまで歴史的に観察し、日本国民の思想の根底に流れる不変の心脈を指摘する。 |
|
第1篇 総論 第1章 国体思想史とは何ぞや 第2章 本書の立場と方針 第2篇 上中世の思想 第1章 太古 第2章 上世 第3章 中世 第3篇 近世 第1章 江戸時代 第2章 最近世及び現代 |
平成19年11月11日
国体論史 上 A5上製函入◎676頁 定価:4000円+税 ISBN4−88656−307−1 CO036 国体論史とは学者思想家の国体に関する議論の歴史で上巻には、鎌倉時代前後の起源時代から江戸時代に到る迄を学派的に分類し、その中心学説を要領よく網羅し批判する。 |
|
第一篇 上中世の国体論 第一章 国体論史序説 第二章 上世の国体論 第三章 中世の国体論 第二篇 近世の国体論 第一章 江戸時代、国体論の通観 第二章 儒教学派の国体論 第三章 国学派の国体論 第四章 神道学派の国体論 第五章 仏教学派の国体論 第六章 独立諸家の国体論 |
平成21年2月11日
国体論史 下 A5上製函入◎472頁 定価:4000円+税 ISBN978−4−88656−331−6 CO036 下巻は明治以後現代に到る複雑多端な国体論議を大観し、縦横に文献を駆使して余す所なき観がある。而して非科学的国体論の長き歴史を清算して国体科学の勃興すべき必然性が条理整然として納得される。 |
|
第三篇 最近世及び現代の国体論 第一章 明治時代の国体論 第二章 大正時代の国体論 第三章 昭和時代の国体論 第四章 国体論の将来 |
平成18年4月18日発行
国体学創建史 上 A5上製函入◎392頁 定価:4000円+税 ISBN4−88656−278−7 CO036 古今の国体論の冥闇を排し理性的国体学が現れる。本巻は即ち故田中智学先生の日本国体学創建史であって、偉大の全面手に取る如し。 |
|
第1篇 日本国体学の創唱 第1章 田中智学の国体明徴史 第2章 田中智学の国体学説 |
平成18年11月3日発行
国体学創建史 下 A5上製函入◎656頁 定価:8000円+税 ISBN4−88656−293−0 CO036 父子二代半世紀に亘る学業は光圀綱条、司馬談司馬遷、英のミル父子に比すべく、本巻は里見岸雄博士の多難な国体科学が右翼官僚軍閥の迫害の中に創建された歴史。 |
|
第2篇 国体科学の創建 第1章 立志遊学時代 第2章 国体科学創唱時代 第3章 京都時代の学究三昧 第4章 「日本国体学」の大成 |
平成29年7月16日発行
比較国体論 A5上製函入◎664頁 定価:体8000円+税 ISBN4−88656−443−6 CO036 支那印度西洋の帝王思想を詳説した所謂我皇道国体との異同を明かにし、かの日本皇道支那王道の誤謬を完膚なく破折し尽くす。単に支那王道論の研究としても見るも空前の力作。 |
|
第一篇 比較国体論概説 第一章 比較国体論の性格及び範囲 第一節 比較国体論の意義 第二節 比較国体論の業績 第三節 比較国体論の範囲と重点 第二章 比較国体論一般 第一節 君臣関係の比較 第二節 国家の比較 第三節 国民性の比較 第二篇 支那の国体論 第一章 支那の帝王観及び王道論 第一節 総 論 第二節 訓詁的概観 第三節 帝王観の諸問題 第四節 王道論 第二章 支那の君民関係と臣道論 第一節 支那の君民関係 第二節 支那の臣道論 第三節 臣道十綱 第三篇 印度の国体論 第一章 総 論 第一節 印度の民族と歴史 第二節 波羅門教の法経 第二章 印度の帝王観及び王道論 第一節 仏教経典の帝王観 第二節 帝王観の諸問題 第三節 帝王の破法とその悪果報 第四節 仏教王道論の要旨 第五節 転輪聖王 第四篇 西洋の国体論 第一章 帝王観及び王道論 第一節 総 論 第二節 基督教の帝王観 第三節 帝王観の諸問題 第四節 王 道 論 第二章 西洋の人民道 第一節 総 論 第二節 聖書の僕道 第三節 西洋現代の人民道 第三章 結びの言葉 |
未定
国体生成論
前篇古典論に於て記紀の概証とその限界を明かにし後篇に於て石器時代神話時代史話時代初期歴史時代を通じ国体の生成確立する状を示し、左右両史学の偏見独断を粉砕する。
未定
国体構造論
実在としての日本国体を血縁・心縁・治縁及び地縁の四点より考究分析し、いずれの時代の国家をも貫いてその基本社会となっていた民族生命大系たる事を明白にする。
未定
国体規範論 上
本巻には社会規範としての国体を論及し古くは神勅神器より近くは教育勅語乃至所謂皇道に就て縦横無尽の科学的鮮明を試み日本人が失いかけている自信を取り戻す。
未定
国体規範論 中
本巻は特に国家軌跡の面より国体を観察し推古憲法、明治憲法並びに日本国憲法を研究したもので、世の憲法学者の見解と全く趣を異にする科学的国体憲法学の最高峰。
未定
国体規範論 下
本巻には国体の宗教的規範及び武道的規範を論明し神道禁止令並びに武装禁止戦争放棄の鉄鑑の中に於て今後の日本人が是等の問題に如何に善処すべきかの原理を明示。
未定
天皇・政治論
天皇の現象と本質とを究明して従来の如何なる天皇論も到達し得なかった難問題を徹底的に解決し、更に再建日本の歩むべき今後の政治に関し示唆多き指導的結論を与える。
未定
附録及全巻索引
本巻には日本国体学起稿式及び大成報告式等の記録を収め、且つ精緻なる全巻の索引を編纂し、本書のあらゆる人名・書名・事項等これを掌の中に探るが如き思いあらしめる。
題 辞 此書は、故智学居士田中巳之助が50年に亘って唱導し、その三男たる不肖の著者が30余年思索研究に専念した日本国体に関する父子二代継業の学的報告である。全14巻より成る。現下の国情では、たとへ一巻一冊でもこの種の著作物出版には多大な困難が伴ふのであるが、敢てこの不利と戦ひつつこの書を公刊する所以のものは、日本再建に於ける自己原理としての国体を学的に明かにし、以て祖国無窮の将来の為に留め、且つ日本人が自ら世界に与へた誤解を解いて日本国体の真実を全人類の理性の前に公開してその批判と認識とを要請せんが為である。著者は茲に謹みて天皇陛下甚深の御苦悩を拝察すると共に、聖躬率先して日本再建の先頭に立たせたまふ英姿を仰ぎ奉つて唯々感涙滂沱、終戦に際して賜れる聖訓を念々憶持し、微々碌々の身ながらこの一書を以て無外の皇恩国恩への報謝に擬するのみである。 将来いづれの日に必ず日本が更めて世界の面前で、真の意味に於ける国体を明徴にすべき時あるべきを著者は確信して疑はぬ。若しこの確信が外れたら、後世予の墓をあばいて枯れ骨に鞭うたるるも敢て厭はない。右の好機到来の日には、日本国政府は、この書の著者なほ存生ならば著者を、もし没後であるならば著者の学的後継者を徴し出して、希くは参考の言を聞かれん事を、至誠懇祷してやまない。 昭和23年3月17日 全巻の稿を終りて 里見岸雄 |
|
書斎にて執筆中の著者(昭和40年、69歳) |
《著者略歴》 里見 岸雄(さとみ きしお) 明治30年、東京に生まれる。大正9年、早稲田大学哲学科卒業。同11年、英独仏に遊学。同13年、兵庫県西宮に里見日本文化学研究所を創立。昭和3年に『国体に対する疑惑』を刊行、一大センセーションを巻き起こし、同4年の『天皇とプロレタリア』も100万部突破の大ベストセラーとなる。同11年、日本国体学会を創立。同16年、立命館大学法学部教授に就任し、翌年、法学博士号を授与されるとともに同大に国体学科を創設して主任教授を努める。戦後、日本国体学会を率いつつ『日本国体学』全13巻を執筆するなど著作・講演活動に邁進する一方、憲法改正運動を自ら起こして活躍。同49年4月18日、78歳にて太寂。生涯の著書は英・独文を含む約200冊。 |