日本文化 第9号(平成十四年・夏)

巻頭言 八月の憂鬱―総理の靖国参拝についての献言

鼎談
「主権国家」の民としての自覚と誇りを ―――― 小堀桂一郎、入江隆則、井尻千男

⇒主権回復五十年、奪われた歴史と主権意識を取り戻す秋だ

ヴァレンヌ―王道の果て ―――――――――――――― 竹本忠雄

⇒かつては国人のなかに篤き敬神の念ありて救国の基をなしていたものを・・・

瀋陽事件は軍事組織による主権侵害である ――――――――― 吉原恒雄

⇒中国の不法行動を曖昧にしたまま幕引きは、我が国安全保障に深刻な実害を及ぼす

「中華思想」、この面妖なる大風呂敷 ――――――――― 宮崎正弘

⇒中華思想は発展凄まじき中国経済を内側から崩壊させる潜在要因となりうる

台湾文化のなかの日本文化 ――――――――――――― 黄文雄

⇒台湾近代化の背景には日本文化の影響とそれを受容しやすい台湾の歴史環境があった

非イデオロギー国家日本の可能性 ―――――――――――――― 呉善花

⇒日本から世界に提出できるのは建前と本音、形式と実質を両立させる考え方である

韓国の「反日」その実態と本質 ―――――――――――― 荒木和博

⇒日本との合邦を悪とする公式的歴史認識を変更しないかぎり韓国の混乱は続く

「うすくらがり」の消滅を憂う ―――――――――――――― 佐藤純一

⇒半影帯(うすくらがり)の消滅は社会内部に対立と崩壊をもたらす

横山大観「心神」考  ―――――――――――――――― 竹谷靱負

⇒晩年の大観の冨士図には、心神―富士山の―の無窮を祈る求道者の姿が映っている

憲政の常道と義理人情 ―――――――――――――――― 遠藤浩一

⇒第一次政権から第二次政権に至る雌伏期、吉田茂は政略上の要諦を悟った

図書室

 宇野精一 編  『平成新選百人一首』 (評者 山内健生)

 八木秀次 著 『明治憲法の思想』 (評者 野間健)