日本文化 第8号(平成十四年・春)

巻頭言 主権回復五十周年−正統性という観念

対談
からごごろと市場原理主義 ――――――――――― 長谷川三千子、井尻千男

⇒アメリカも日本もその本質に基づいてグローバリズムを押し付け、受け容れている・・・。

デカルトの国の「ル・ブシドー」 ―――――――――― 竹本忠雄

⇒フランス人が信じ、日本人が疑う「ブシドー」。本家日本を離れる運命にあるのか。

国家像 ――――――――― クライン孝子
−それは一に「国益」、二に「国益」、三に「国益」−
⇒欧州諸国の外交はエレガントでスマートで洗練されているが、日本はどうか。

構想力を失った日本人 ――――――― 宮崎正弘
−文明の病はやがて国を滅ぼす−
⇒精神を回復し次の構想を導き出すのか、それともますます閉塞回路へ迷い込むのか。

女帝論への試み ――――――― 呉善花

⇒女帝の秘密は天皇制にまつわる歴史・伝承・神話のなかに隠されている。

近代台湾に美を教えた日本人芸術家たち  ―――――――――― 黄文雄

⇒日本が行った美術教育が台湾近代美術形勢の礎となった。

新・日米同盟論 ―――――――――――― 藤井厳喜

⇒日米が共に戦い、勝ち戦を経験してこそ同盟は真に強固なものとなる。

文化ギャップとしての「靖国問題」 ―――――――――――――― 山内健生

⇒国内では「察し合ひの文化」、対外的には「主張する文化」、二刀流を目指すべし。

憲政の常道と義理人情  ――――――――― 遠藤浩一

⇒機略縦横の策士・三木武吉が懐深く抱いた国家観とは・・・。

微差の個人主義と大差の個人主義 ―――――――――――――― 井尻千男

⇒「集団主義(日本)対個人主義(欧米)」という罠にはまってならない。

図書室

 岡本幸治 著 『骨抜きにされた日本人−検閲、自虐、そして迎合の戦後史』 (評者 高野雅樹)

 アルベルト・フジモリ 著 岸田秀 訳  『アルベルト・フジモリ、テロと戦う』 (評者 野間健)