日本文化 第6号(平成十三年・秋)
巻頭言 「新しい戦争」どう対処するか
対談
マルローがみた「高貴なる日本」 ――――――――――― 竹本忠雄・井尻千男
⇒日本を深く観察し中国との根本的違いを剔抉したマルローを、今こそ読み返すべきだ
三島、マルローを結ぶアンコール・トム ―――――――――― 宮崎正弘
⇒死への強烈な意識と洒脱なダンディズムが三島とマルローを強い絆で結ぶ。
日本対中ODAをどうする ――――――――― 渡辺利夫
⇒環境保全や貧困関連プロジェクトへのシフトなど対中ODAには考慮すべき問題がある。
台湾の近代化に貢献した日本人動植物学者たち ――――――― 黄文雄
⇒日本人動植物学者のあくなき探索・研究によって巨細な台湾博物誌が書き残された。
「ネオリベラリズム」対「カルチュアル・スタディズ」 ――――――― 呉善花
⇒日本は西洋対東洋という対立構図を超え、豊かな精神に基づいた平等主義を発見できるか?
漱石、鴎外、天心とイタリア ―――――――――――――― 田中英道
⇒漱石こそ日本でルネッサンス美術の神髄―メランコリーを理解した最初の人だ。
海洋国家日本の地政学的戦略試論 ―――――――――――― 藤井厳喜
⇒支那大陸への過剰介入は禁物、日本は海洋大国の自覚に基づいた戦略を推進せよ。
陸と海、そして空 ―――――――――――――― 池田憲彦
⇒ITによる国際社会のネットワークつくりはモンゴルが新段階に進むための武器となる。
構造改革と勤勉のエートス ――――――――― 神谷満雄
⇒政策課題としての構造改革は天職追求型の労働観が支える。
日本の神とは何か ―――――――――――――― 村松聡
⇒古代から自分のうちに息づいている宗教観を無視するのは自己欺瞞である。
日本の人口急減の意味と戦後教育 ――――――――――― 坂口健二
⇒二十一世紀の価値観は「生命」と「生活」の尊重になる。
図書室
佐伯啓思 著 『国家についての省察』 (評者 遠藤浩一)
工藤雪枝 著 『特攻へのレクイエム』 (評者 高野雅樹)