日本文化 第22号(平成17年・秋)

巻頭言 大崩壊必至 日本の宝「公」の精神

公開シンポジウム
近現代史の総点検
 ―――― 黄文雄・福井雄三・遠藤浩一・宮崎正浩・藤岡信勝・井尻千男

⇒乃木希典は愚将だったのか? 朝鮮・台湾・満州は植民地だったのか? 史観通説を総点検する!

唐文化はインド・ペルシャ系である ―――――――――――― 田中英道

⇒唐の文化は「中国」文化ではない。「中国」の名のもとでの歴史の混同を正す必要がある。

三島由紀夫の日本回帰 ――――― 宮崎正弘

⇒三島事件は論壇に保守回帰の潮目をつくった。それは、古今集の「天地を動かす」行為となった。

ブッシュ米大統領のヤルタ合意批判 ―――--―― 藤井厳喜

⇒日本は自らの国益増大のためにニュー・ブッシュ・ドクトリンを活用すべきである。

文明が精神を侵食する時代の文化 ――――― 呉善花

⇒消費文明は感覚を解放解放し高度化するが、それは精神の解放や高度化を意味するものではない。

「死」の美学 ――――――― 黄文雄

⇒武士が死を恐れないのは、それが天職であり、生以上の価値が存在するからだ。

「かえり見」せざる挺身 ―――――――――― 高森明勅

⇒「のどには死なじ」との思ひを抱いた挺身に共鳴できる感性は、今日も頽れ果ててはいないはずだ。

『葉隠』覚書 ――― 山内健生

⇒祖先の栄辱は当代子孫の言動に懸かつてゐるといふ一句は今日なほ新鮮に響く。

日米共同防衛体制と主権回復 ――――― 遠藤浩一

⇒軍備を否定し、米国に安全保障を依存する特異な体制が始まった。

古義學・古文辭學の天道  ――― 小堀桂一郎

⇒徂徠の天道觀の本質は「敬天」。眞摯な思索研學の成果が民心に浸透した結果かもしれない。