日本文化 第21号(平成17年・夏)

巻頭言 政治家たちの「世代の断絶」には恐るべきものがある

対談
総理、八月十五日に参拝してください
 ―――― 大原康男、井尻千男

⇒軽々に“A級戦犯”を分祀せよと言うのは、戦後日本の歩みを否定するも同然である。

遺日使の方が多かった ―――――――――――― 田中英道

⇒遣唐使以上に多くの遺日使がやってきたのは日本の文化力・通商力が重視されたからだ。

憲法の本然の姿と改憲 ――――― 吉原恒雄

⇒憲法に最重要の規律力は、正しい由緒来歴、歴史・伝統文化の踏襲によって担保される。

「士農工商」の「きびしい身分制度」という神話 ―――--―― 藤岡信勝

⇒江戸時代の身分制度を「士農工商」で捉える観念は学問的に維持できなくなっている。

共同体と相互扶助ノート ――――― 呉善花

⇒古代以来、共同所有・相互扶助と協労は日本庶民の共同生活の軸として生き続けてきた。

「生」の仏神学 ――――――― 黄文雄

⇒日本では死者はなお生きている。大嘗祭も新嘗祭も襲名も再生・復活の儀式である。

グローバル資本主義への反動 ―――――――――― 藤井厳喜

⇒反米テロも対テロ戦も支那の反日暴動も、経済の南北統合に対する反動だ。

共同体アイデンティティー維持における文化のネゲントロピー作用 ――― 佐藤純一

⇒固有の文化力を以て人類社会の秩序崩壊を打ち消すことが、日本に求められている。

日米共同防衛体制と主権回復 ――――― 遠藤浩一

⇒朝鮮戦争・再軍備・サンフランシスコ講和条約・日米安保―「戦後」は、矛盾の中で再スタートした。

近世儒家の天道  ――― 小堀桂一郎

⇒何らかの展開を期待された天道概念は朱子学碩学諸家により純粋化への収斂を経験する。