日本文化 第20号(平成17年・春)

巻頭言 悲しみを込めて「憲法改正そのときにあらず」という

対談
平成維新の秋
 ―――― 加瀬英明、井尻千男

⇒国としては敗れたが民族としては勝った日本。しかし社会構造は激変してしまった・・・

天皇・皇室を仰ぐといふこと ―――――――――――― 萩野貞樹

⇒神武の事績は、遠く石器時代から存在した神話伝承の洗練された造形化である。

なぜ税を納めるのか ――――― 高森明勅

⇒民衆自身が公民として「仕へ奉る」ことに、調・庸貢納の意義があった。

「五公五民」と「慶安の御触書」がつくった日本人の「常識」 ―――--―― 藤岡信勝

⇒「貧農史観」が実証的に崩壊した以上、歴史教科書の再検討が迫られる。

戦後教育のルーツと教育改革 ――――― 石井昌浩

⇒問い直すべき課題は「ゆとり教育路線」との決別、「戦後教育の負の遺産」の清算。

金正日世襲政権掌握までの「帝王教育」 ――――――― 呉善花

⇒「ヒトラー型の独裁者」が統一朝鮮の大統領に? 韓国は危険な方向に向かっている。

中国海洋戦略の二律背反 ―――――――――― 宮崎正弘

⇒“東アジア共同体”は、中国のための組織への変質を余儀なくされるだろう。

「運命」の操縦学 ――― 黄文雄

⇒「台湾人としての悲しみ」という「場」からの脱出、それが台湾人共通の運命観である。

地球温暖化の政治学 ――――― 藤井厳喜

⇒今後は第三世界の近代化・産業化と調和したCO2規制論が主流になっていくだろう。

貝原益軒に於ける天道  ――― 小堀桂一郎

⇒カントの「上なる星空」と同質の何ものかを、益軒は「天道」の名で呼んだ。