日本文化 第16号(平成十六年・春)

巻頭言 「無差別テロ」と「散華の思想」の無限の距離

対談
日米関係―「業」から「真の同盟」へ ―――― 片岡鉄哉、井尻千男

⇒「靖国に一緒に行こう」と言い出しているブッシュ政権のありがたさに気づけ

日本の「呪」と「祝」 ―――――――――――― 竹本忠雄

⇒日本はどこに来たかではなく、どこから始まったかを、深層から視つめなおす時だ

「公民」はいかにして登場したのか ――――― 高森明勅

⇒「公民」の制度化には天皇の超越的権威の確立が欠かせない条件だった

日本外交百年の構想 ―――--―― 藤井厳喜

⇒日支が二千年戦争なら日米は二百年戦争、米欧とは文明的競争をしていこう

日本文学の衰退に近づく中国文壇 ――――― 宮崎正弘

⇒魯迅や白樺を越える作家は出たか?否、一気にポルノ繚乱時代を迎えている

「罪」の非法学 ――――――― 黄文雄

⇒「一億総懺悔」が日本人の原罪意識として定着したら、日本人の将来はない

新しいビジネスとしての非営利活動 ―――――――――― 呉善花

⇒日本には強力な非営利ビジネスを展開していくための人材が有り余っている

森と日本文化 ――― 高坂節三

⇒自然の中に神を見出し、自然のことは自然に聴く、これが日本人のDNAだ

国を愛するということ ――――― 工藤雪枝

⇒家族愛、責任感、国家観が国民共通の意識であったことを「特攻」は象徴している

「鍵」は微差の繋がりと知の半影帯にある  ――― 佐藤純一

⇒微差に配慮する自然な精神のあり方が、科学主義の暴走を防ぐ

「ワンマン」と保守政治窪変 ―――――――― 遠藤浩一

⇒総選挙で大勝した吉田茂。しかしそれは保守政治の変質の始まりであった

図書室

 荻野貞樹 『歪められた日本神話』 (評者 黒田秀高)

 中西輝政 『国民の文明史』 (評者 井尻千男)