日本文化 第14号(平成十五年・秋)

巻頭言 「国の基としての農」を愛郷心の高揚で復活せよよ

対談
今こそ日米同盟活用の秋 ―――― 田久保忠衛、井尻千男

⇒反米ナショナリストを気取るなら、ウィーク・ジャパン派に切り込んだらどうだ

武蔵、遅参せず ―――――――――――― 竹本忠雄

⇒フィクションの歴史化によって日本独自の理想は損なわれてきた

聖徳太子の仏教受容をめぐって ――――― 高森明勅

⇒日本の文明的可能性への自信があったからこそ太子仏教採用を躊躇しなかった

「神道の倫理と日本資本主義の精神」 ―――--―― 呉善花

⇒日本のプレ資本主義の精神と活動は、神道と深く関わっている

少年犯罪の根底にあるもの ――――― クライン孝子

⇒少年少女のエネルギーの受け皿なくして、何が生命尊重か

「忠孝」の奴婢倫理学 ―――――――――― 黄文雄

⇒中国では親が子に「孝」の倒錯、北朝鮮は将軍様への「忠」強制、さて日本は…

アメリカ外交の二つの顔 ―――――――――― 藤井厳喜

⇒孤立主義的傾向も膨張主義的傾向も、ともに道徳主義の結果である

「国民教育」を阻む二つの占領遺制 ――― 山内健生

⇒教育基本法への「国を愛する心」明記は独り善がりから脱却する第一歩だ

中国における国家統合の課題と少数民族問題 下 ――――― 茅原郁生

⇒少数民族問題は共産党独裁に対する政治改革を促す起爆剤になりうる

大和しうるはし ―――――――― 野間健

⇒わが国体を「明契」として世界に顕すべき時代になった

我が国政府による歴史文化破壊に関する一考察 下  ――― 高野雅樹

⇒文化的財産としての価値が高い旧正田邸取り壊しは妥当ではなかった

拓殖大学文京キャンパス再開発計画への提言 ――― 徳永達巳

⇒百年の伝統に立脚し、A館を中核として再開発事業を進めてほしい

図書室

 小堀桂一郎 『和歌に見る日本の心』 (評者 井尻千男)

 井尻千男 『日本再生 一国一文明の気概を』 (評者 遠藤浩一)