日本文化 第12号(平成十五年・春)

巻頭言 危機に関する遠近法を自覚せよ

対談
主権・尊厳・国益を保守する国策を追求せよ ―――― 小田村四郎、井尻千男

⇒ピンチはチャンスにもなる

北朝鮮の核武装と日本の安全 ―――――――――――― 吉原恒雄

⇒「憲法第9条」「非核三原則」などこれまでの大前提を取り払った防衛議論が求められる

欧米を超える理念だけが戦争・テロを克服できる ――――― 呉善花

⇒日本が目指すべきは、欧米のしがらみにとらわれる必要のない政治だ

軍事がすべてに優先する発想 ―――----――---―――― 宮崎正弘

⇒「米国を疲弊させ自国軍の温存をはかる」という中国の戦略を、西側は理解しているか?

「恩」の交易学 ―――――――――― 黄文雄

⇒欧米社会に比べ日本社会は契約ではなく恩義の感情と血縁意識で結ばれている

伝統・文化を破壊するジェンダーフリー教育 ――――― 山谷えり子

⇒偏った価値観の強要、過激な性教育、家庭否定のイデオロギー。驚くべき実態。

踏み破られた文語體の聖域 ―――――――――― 中村信一郎

⇒戰後の國語問題は國語の正統を政治が否定するといふ意味で重大な政治問題である

日本文明の本質 ―――――――――― 藤井厳喜

⇒「俗なる国家」を「聖なる国家」に近づける永遠の維新運動のみ民主主義の可能性がある

グローバリゼーションとITは世界の人間砂漠化を齎す  ――― 佐藤純一

⇒文化のアイデンティティーで世界のネゲントロピーを取り戻せ

興亜思想揺籃の地を自負した背景 ――― 池田憲彦

⇒気概や感激が後世に継承され続けたのは校是が国是と無縁でなかったからだ

「山崎首班」工作潰えたり ―------------------------―― 遠藤浩一

⇒GHQによる“山崎首班工作”を潰し、第二次吉田内閣を発足させたものは党人政治家の「情」と「理」だった

黒澤明と「七士」の運命 ――― 竹本忠雄

⇒静かに刑場へと消えた七士。死に臨んで光輝を放つ武士道の霊性は立派に生きた

図書室

 内田良平研究会 編著 『国士内田良平―その思想と行動』 (評者 高森明勅)

 藍川由美 著 『「演歌」のススメ』 (評者 遠藤浩一)