※てんでんニュースより抜粋
第三回 大原康男 (おおはら やすお) |
昭和17年、滋賀県大津市生まれ。京都・洛星高校を経て、同40年、京都大学法学部卒業。日清紡績葛ホ務後、同53年、国学院大学大学院博士課程(神道学専攻)を修了し、同大日本文化研究所に入所。同研究所教授を経て、現在、国学院大学神道文化学部教授。博士(神道学)。
天皇論三部作、『天皇−その論の変遷と皇室制度』『象徴天皇考』『平成の天皇論』(いずれも小社刊)が圧巻。論壇へのデビュー作『現御神考試論』(昭和53年)が入手不可能な現在、著者の天皇をめぐる重要論考をほぼ網羅した三部作は、初心者研究者問わず必読熟読の要あり。また『詳録・皇室をめぐる国会論議』は、戦後この方、国会で論じられてきた皇室関連のすべてを事項別に分類した、著者でなければなし得ない画期的な労作である。昨夏の小泉首相靖国参拝をめぐって全国で五つの違憲訴訟が提訴された。その異常性は靖国神社まで被告に加えたことにも見て取れるが、この政教問題をめぐる最前線で必要欠くべからざる人物が氏その人である。最新刊『続・実例に学ぶ「政教分離」』では、平成四年以降の政教関係を正す会編ではあるが、執筆はもちろん氏ご自身。いうまでもなく氏は、国民運動の先頭に立ち指導活躍されているが、今春より神道学科の学部昇格に伴い同学部の教授となり、超多忙な毎日のこと。氏の益々のご活躍を祈念したい。
「天皇制の問題はこの国に生まれたものにとって宿命的な思想的課題」と捉える著者がその本質を展開。
⇒『天皇―その論の変遷と皇室制度』 B6上製/264頁 本体1800円
象徴天皇とは何かをテーマに、皇位継承儀礼、政教分離問題・戦争責任等をロジカルに考究する。
⇒『象徴天皇考』 B6上製/264頁 本体1845円
「開かれた皇室」論を徹底的に論駁しつつ未解決の問題点を提示し、江藤淳氏ら七人との対談を加える。
⇒『平成の天皇論』 B6上製/376頁 本体2233円
立法府では皇室の何が論じられてきたのか。膨大な議事録から皇室関連のみを収拾して事項別に分類。
⇒『詳録・皇室をめぐる国会論議』 四六上製/256頁 本体3800円
豊富な具体例に基づき混乱する政教関係に明解な指針を提示。他に類似のない政教問題マニュアル。
⇒『実例に学ぶ「政教分離」』 四六並製/256頁 本体1456円
一部宗派による独善を正し、多くの宗教の共存共栄に向け真に安定した「政教関係」の確立を考える。
⇒『続・実例に学ぶ「政教分離」』 四六並製/256頁 本体1500円